遺言状は元気なうちに

投稿時間 : 2009年12月24日 17:58

GS129_L.jpgこのブログでも何度かお話していますが、地主様にとって、相続税は大きな問題ですね。相続税によって、大切な資産を失うことのないよう、しっかり対策を練っておくことは大変重要なことです。

ところが、財産を子どもや孫に残すため万全の相続税対策をたてていたのに、結局その資産が大きなトラブルを生んでしまったというお話を伺うことがあります。

原因は、遺産の分割についてです。

『遺産』といえば、自分が死んでしまったあとの話・・・。そんなことを考えるなんて、ちょっと気が進まないことですね。『うちは、今のところ妻も子どもたちも仲良くやっているのだからきっと大丈夫。遺産でもめることなんてなくて、将来もみんなで仲良く暮らしていくだろう』と思いたくなるものです。

ところが、現実は違うのです。


私が実際に聞いた話ですが、財産分与を巡って兄弟間の激しい争いに発展してしまったお宅があります。兄弟のどちらもお互い譲らず、最後には『兄貴は昔から
おやつが多かったんだ!』
なんて、子どもの頃のおやつの話まででてきて、収拾がつかない状態になってしまったそうなのです。

妻や大切に育ててきた子どもたちが、遺産を巡って争いを繰り広げるなんて考えたくもないものです。では、どうすればそんな事態を防げるのでしょうか。

それは、『遺言状』を残しておくことです。

元気なときに遺言を書くのは、とても抵抗のあることかもしれません。でも元気なうちだからこそ、周りの状況もしっかり把握できます。病気になって気持ちも体も弱ってくると、冷静な判断ができなくなるかもしれません。

遺言状を残すことは、『親父の最後の仕事』だと私は思っています。将来、遺言状を開けるときがきて、その結果子どもたちに多少の不満があったとしても、『親父の決めたことなら仕方ない』と納得するのです。

かくいう私も、50歳を迎え遺言状を書きました。私がしておくべき仕事だと思っているからです。

いくら対策をたてて、相続税を軽減して次世代に渡したとしても、それがトラブルになっては元も子もありません。元気なうちに、公証人の仲立ちのもとで「公正証書遺言書」を作成し、公証役場に保管されておくことをお勧めします。

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