家賃保証トラブルからみるこれからの賃貸経営

投稿時間 : 2016年09月26日 11:00

「サブリース」家賃保証トラブル

今年8月、大手新聞誌面でサブリース関連の問題が相次いで報道されました。

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記事を要約すると、「サブリースにすれば契約当初と変わらない定額の家賃がずっと入るものと思ってアパートを建てたのに、契約途中で家賃を下げられた」と、苦情が相次いで寄せられているため、国土交通省は賃貸管理業者に将来の家賃減額のリスク説明を義務づけることにした、ということです。

サブリースは、もともと家賃が上がる前提ではじめられた契約です。地価が上がっていた時代、毎年家賃が上がり、下がることはなかったので、もちろんオーナー様の家賃収入も下がることはありませんでした。

でも、それは昔の話。今の家賃は新築時がもっとも高く、築年数が経つにつれだんだんと下がっていくのが現実です。サブリースでも家賃を下げざるを得ないので、オーナー様の収入も下がることになります。

オーナー様が「家賃が下がることを聞いていなかった」という今回の問題は、実はかなり以前から度々起きていました。

トラブルを引き起こす二つの原因

なぜこんなことになってしまうのか、理由は大きく二つあります。

ひとつは、建築会社の営業担当者などがオーナー様を安心させるため、いいことばかりを話してしまうことです。

サブリースの契約書には、家賃の見直しを行うことが明記されています。アミックスは必ず契約の前に、家賃の見直しがあること、見直しによって家賃が減額される可能性があることをご説明しています。

でも、オーナー様にこのことをきちんと説明していない会社も多く、なかにはわかっていながら、あえて誤解を与えるような話し方をする、無責任な会社さえあります。そのため、オーナー様は、契約期間中はずっと定額の家賃が保証されるかのような印象を持ってしまうのです。

もうひとつの理由は、そもそも賃貸経営に適していない立地なのに強引に建てさせてしまうことにあります。

地価が上がり、家賃も上がっていく時代だったら、あまり立地のよくない場所に無理やり建てたとしても、なんとか経営ができました。でも今はそんな甘いことが通用する時代ではありません。安易な賃貸経営は大きな失敗につながります。

管理の知識があり、信頼できるパートナーを選ぶ

立地の悪い場所でも賃貸経営ができた時代は終わりました。さらにいうと、残念ながら、今後、日本のアパートは家賃が下がっていくリスクも考えていかなければならないと思います。立地によって下がり幅に差がうまれ、場所によっては大きく家賃を下げてしまうところもあるでしょう。

また、建築会社は、建築のプロですが管理のプロではありません。有名な会社だから、規模が大きいから・・・と安心して建築会社の営業さんの話を鵜呑みにしてまかせてしまうのは危険だと思います。

建築会社でも、自社で管理部門を持っていることもありますが、やはり建築が主導なので、アパートを建てることを中心に話しをするでしょう。

アミックスでは立地の悪いところではアパートは建てません。アパート経営に向かない、将来値下がりが予想される土地では、たとえそれが、自分の親からゆずりうけた土地であっても、売却して立地のいい場所への買い換えをすすめています。つまり資産の組みかえです。

アミックスの仕事はオーナー様の資産を守り、活用すること。大切なのは自分たちの売りたいものを売るのではなく、オーナー様の利益を第一に考えることです。

不動産経営でのオーナー様とのお付き合いは、50年あるいはそれ以上の世代を超えた長い期間になります。なによりオーナー様の利益を考えていかなければ、会社の経営も長続きはしないのです。

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