生き残るのは「長く住んでもらえるアパート」

投稿時間 : 2009年05月14日 15:24

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その昔、といってもバブル期頃まででしょうか。賃貸アパートは、入居者が短期で退去しても何の問題もありませんでした。退去者が出てもすぐに次の入居者が決まるし、礼金もキッチリとれる時代でしたから、むしろ短期で退去されるのはありがたいことだったのです。

そして現在、状況は一変しています。バブル景気が去った後、いつかいつかと思いながらなかなか上向かない経済状態のなか、さらに昨年後半からの不況。失業者のあふれる事態となっています。少子化傾向の影響もあり、売買も含め不動産業界の置かれる状況は極めて厳しいものになってきました。

わたしは、賃貸経営に携わるものとして、この時代を乗り越えていく術をいろいろと考えてきました。そのひとつが『長く住んでもらうこと』です。


現在、賃貸アパートは空室がでてもさっと次が決まるとは限りません。さらに今では礼金ゼロという物件も増えており、ひと昔前のように入居者が入れ替わるたびに礼金が入る、というわけでもありません。敷金を預かっていても、通常使用での傷みはオーナー負担が原則となっていますから差し引くこともできません。

それならば、長く住んでもらったほうがいいのです。

では、長く住んでもらうためにはどうしたらいいか。その答えを見いだすためには、入居者サイドの目線にたって考え、入居者は何を求めているかを考えることが必要です。

わたしたちアミックスは、長年管理業務に携わってきましたが、今しなければならないことは、入居者管理ではなく『入居者サービス』です。以前のように入居者を選べる時代ではありません。入居者に選んでもらう時代なのです。

とはいっても、部屋の広さなどはどうにもなりませんし、設備の向上にも限界はあります。でも、入居者に喜ばれる新しいサービスもあるのではないか。そんな思いから、アミックスは今年5月から「更新サービス課」を発足させました。

更新サービス課は、入居者に契約を更新してもらい、なるべく長く住んでもらうことを推進していく部署です。入居者向けにいろいろなキャンペーンを行うとか、お得な情報を発信するなど、積極的に入居者サービスを展開していきます。また、退去者が出たら、その理由を分析して管理運営に役立てることも必要でしょう。そうすることで、入居している人に『アミックスってホントに信頼できる!』と思われる管理会社になっていくことを目指しています。

今まで入居者と管理会社の間には、事務的な手続きやトラブル時など以外、あまり対話がありませんでした。でも、これからは変えていかなければいけません。
特に単身者向けのワンルームアパートの場合、入居者との距離を縮め、親近感のある管理会社となることが大切。いわば入居者のヘルプデスクです

例えば、地方から単身で上京してきた若者にとって、見ず知らずの土地で初めて知り合うのがわたしたちのような管理会社かもしれません。それなら、まずは親や兄弟、または友達のような気持ちで接して、末長いパートナーとなれるよう心がけていくこと、それがこれからの管理会社の姿勢だと思っています。

プロフィール

末永 照雄 〈 Teruo Suenaga 〉

株式会社アミックス 代表取締役 社長
昭和31年8月2日生まれ
上智大学卒業後、アミックスを設立。
趣味はジョギングと水泳。

公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会 会長
全国賃貸管理ビジネス協会 理事
suenagateruo@amix.co.jp